『日本沈没』
小松左京の原作も、旧映画もTVドラマも忘却の彼方。
“日本沈没”ってほんとに沈没するのかなぁ〜と、さして期待もせずに観に行った本作。
気楽に観に行って良かったです。
期待していたら、さぞやいろいろ腹が立ったことでしょう。
生まれ育ったこの日本の大地。培ってきた歴史や文化、人間の営み。
それがなす術もなくずたずたに引き裂かれていくのを観るのは切ないです。
否応なく感情がかき立てられます。
でもこれは根源的なもの。
この国に生まれ育った私の条件反射みたいなもので、映画の出来とは関係ありません。
肝心の映画の出来は・・・正直、いかがなものかと。
筋がぶれていて散漫。
未曾有の大混乱のわりに、あらゆることが上滑りしていきます。
いや、これは災害パニック映画ではなく、ラブストーリーだと。
百歩ゆずってそれは認めましょう。
でも、そのラブストーリーすら果てしなくしょうもない。
そして、主題歌がうるさい。
恋する二人のクライマックスシーンで高らかに流されるのですが、げんなりました。
でもこれは好みの問題。この主題歌に感動した方もいらっしゃるでしょう。
ただ、私の好みではなかったので、邪魔でした。
とどめは映画のラスト。
危機管理大臣を演じる大地真央の演説。あれは『インデペンデンス・デイ』ですか。
なんだかなぁ。
そんな中ちょっと感心したのが、主人公の相棒の潜水艇乗りを演じた及川光博 。
海底遥か深く、たったひとり乗り込む潜水艇が制御を失い、圧壊する直前。
突然のパニックと恐怖。そしてある種の諦観と決意と覚悟。
ほんの一瞬の表情の移り変わりが見事でした。
2006/日本/東宝/ 樋口真嗣監督/ 日劇PLEX/ 2h15
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